はじめに

　草刈機（刈払機）は、庭の手入れや農作業に欠かせないツールです。多種多様なモデルが市場に出回っており、どれを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。本記事では、草刈機の選び方や重要なポイント、使用する際の注意点などについて詳しく解説します。あなたに最適な草刈機選びの参考になれば幸いです。

目次

1. 草刈機の種類と特徴：使い分けるための知識
2. 草刈機の選び方：重要なポイントと注意点
3. エンジンの性能と耐久性：草刈機の性能を左右する要素
4. ハンドルの形状と使いやすさ：適切なハンドル選びのポイント
5. 刈払い刃の種類と特徴：作業内容に応じた刃の選び方
6. メンテナンスの手順と頻度：長く使うためのケア方法
7. 安全な使い方と注意点：事故防止のための基本的なルール
8. おすすめ草刈機ランキング：人気のモデルとその特徴

　

　

1.草刈機の種類と特徴：使い分けるための知識

　草刈機には手動式、電動式（電源コード・バッテリー）、ガソリン式の大きく3種類があります。それぞれの特徴を理解し、用途に応じて適切なタイプを選びましょう。

　

　

　

排気量について

　エンジンの排気量は、そのパワーを示す重要な指標です。一般的には、草刈機の排気量は20〜30ccが多く使用されています。

• 20cc前後: 非常に軽量で取り扱いが容易です。女性や高齢者向けで、庭の雑草程度の軽い作業に適しています。
• 23cc前後: 軽く扱いやすく、持ち運びにも便利です。平坦な場所での雑草刈りに最適です。
• 26cc前後: パワフルで、硬い草や小枝も効率よく刈ることができます。広めの庭や傾斜地での作業にも対応できます。
• 30cc以上: 非常にパワフルで、太い雑草や竹なども刈ることができます。プロ向けで、極端に雑草が生い茂った場所での作業に適しています。

　

混合ガソリンとガソリンの違い

ガソリン式草刈機には、主に2種類の燃料が使われています。

1. 混合ガソリン（2ストロークエンジン用）：ピストンが上下するたびに燃料を処理するエンジン
2. ガソリン4ストロークエンジン用）：燃料の混合気を4つの動作（吸気、圧縮、爆発、排気）で処理するエンジン

混合ガソリンの特徴と注意点
　混合ガソリンは、ガソリンと2ストロークエンジン用の特殊なエンジンオイルを一定の割合（25：1もしくは50：1）で混ぜた燃料であり、主に小型動力機器に使用されます。この燃料にはエンジンオイルが含まれており、エンジン内の潤滑や冷却を行います。注意点としては、正しい混合比を守る必要があるため、取扱説明書を必ず参照してください。また、清潔な容器を使用し、換気の良い場所で混合作業を行うことも重要です。

ガソリンの特徴と注意点
　ガソリンは、無鉛ガソリンが一般的に使用され、大型機器や自動車に用いられるものと同じものになります。注意点として火気や引火性物質から遠ざけ、密閉容器で保管することが重要です。容器や燃料タンクの蓋をしっかり閉め、漏れやこぼれを防ぐようにしましょう。取り扱い時には十分な換気を確保し、安全に取り扱うことが必要です。

　このように、混合ガソリンとガソリンそれぞれの特徴と注意点を理解することで、草刈機の燃料を選択し、安全に取り扱うことができます。
　

草刈機の形状と選び方

　草刈機には、肩掛け式、ハンドル式、背負い式の形状があります。それぞれの特徴を理解し、自分の用途に最適なタイプを選びましょう。

肩掛け式草刈機

　肩掛け式草刈機は、肩にかけるストラップが付いており、操作が比較的簡単で、家庭用として広く使われています。

• メリット
  軽量で取り回しが容易
• 比較的低価格
• 初心者でも使いやすい

• デメリット
  長時間の作業だと体に負担がかかる
• 小回りが利きにくい
• 定期的なメンテナンスが必要

　

ハンドル式草刈機

　ハンドル式草刈機は、ループハンドルという持ち手のついた草刈機で、小回りの利いた操作ができます。広い範囲の草刈りに適しており、プロの庭師や農家に人気があります。

• メリット
  安定した操作が可能
• 広範囲の草刈りに適している
• 小回りが利く高い操作性

• デメリット
  操作に慣れが必要
• 価格が高め
• 広範囲向きなので狭い場所には不向き

　

背負い式草刈機

　背負い式草刈機は、背中に背負って使用するタイプです。重量が均等に分散されるため、長時間の作業でも疲れにくく、広い範囲の草刈りに適しています。

• メリット
  重さの分散による疲労軽減
• 広範囲での作業が可能
• パワフルなエンジン搭載が多い

• デメリット
  価格が高い
• 定期的なメンテナンスが必要
• 使用中の姿勢に慣れが必要　

　

2.草刈機の選び方：重要なポイントと注意点

　草刈機を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントと注意点があります。まず、使用する場所や目的に合った機種を選ぶことが大切です。例えば、小さな庭での使用には軽量で取り回しやすいモデルが適していますが、大規模な農地ではパワフルなエンジンを搭載したモデルが必要です。また、燃料タイプ（ガソリン、電動、バッテリー）も考慮するべきポイントです。それぞれの特性を理解し、メンテナンスの手間やランニングコストを検討しましょう。

　草刈機の選び方で重要な要素には以下が含まれます。

使用場所の広さ

　小規模な庭から大規模な農地まで、使用する場所に応じた適切なモデルを選びましょう。

作業内容

　雑草の刈り取りだけでなく、茂みの整備や芝刈りなど、用途に応じた機能が必要です。

燃費と燃料効率

　ガソリン式はパワーがある反面、燃費が気になることもあります。電動式やバッテリー式は、ランニングコストが抑えられます。

価格帯

　予算に応じて、性能と価格のバランスを考慮しましょう。高価格帯のモデルは多機能で耐久性が高い傾向にありますが、予算に合わせた選択も重要です。

振動と操作性

　長時間使用する際の振動や操作のしやすさも考慮すべきポイントです。快適に使用できるモデルを選ぶことで、作業の疲労を軽減できます。　

　

3.エンジンの性能と耐久性：草刈機の性能を左右する要素

　草刈機のエンジンは、その性能と耐久性に大きな影響を与えます。エンジンの選び方は、作業効率や使用感に直結するため、慎重に行う必要があります。ここでは、エンジンの性能と耐久性に関わる主要な要素について詳しく説明します。

燃費

　燃費の良いエンジンは、燃料コストの削減に貢献します。エコなモデルを選ぶことで、長期的なランニングコストを抑えることができます。燃費性能も草刈機を選ぶ際の重要なポイントです。

振動と騒音

　エンジンの振動や騒音レベルも考慮すべきポイントです。振動が少なく、静音性の高いエンジンは、作業中の快適性を向上させます。特に長時間作業する場合は、振動や騒音が少ないモデルを選ぶと、疲労感を軽減できます。

始動方式

　始動方式には、リコイル式と電気式の2種類があります。

リコイル式: ロープを引いてエンジンを始動させる方式です。電池切れの心配がありませんが、慣れが必要です。
電気式: スイッチを押すだけでエンジンを始動させる方式です。特に電動式の草刈機では、使いやすさが際立ちます。スムーズに始動でき、手軽に操作できるため、初心者や女性にも人気があります。

燃料タンク容量

　燃料タンクはエンジン式の草刈機に搭載されています。基本的に容量に大きな差はなく、連続使用で約40〜60分ほど持続します。

　

４.ハンドルの形状と使いやすさ：適切なハンドル選びのポイント

　草刈機のハンドルの形状は、操作性や使いやすさに大きく影響します。適切なハンドルを選ぶことで、長時間の作業の疲労を軽減し、効率的に草刈りを行うことができます。以下では代表的な3種類の形状と、草刈機のハンドルを選ぶ際に考慮すべきポイントについて詳しく解説します。

芝刈機のハンドルの形状—3種類の特徴

芝刈機のハンドルの形状には、主に3種類あります。

U字ハンドル

肩掛け式草刈機に用いられてる形状のハンドルです。一般的な草刈機はU字ハンドルのものが多いです。

　

ループハンドル

ハンドル式草刈機に用いられている形状のハンドルです。

• メリット
• 肩掛けできるため、長時間使用しても疲れにくいです。大きな動きや複雑な操作が可能で斜面や狭い場所での作業に適しています。
• U字ハンドルよりも取り回しがしやすいです。

• デメリット
• U字ハンドルよりも操作に慣れが必要です。
• ループ部分に草や枝が引っかかりやすいです。

　

　草刈機のハンドルは、作業の快適性や効率に大きな影響を与える重要な要素です。ここでは、草刈機のハンドルを選ぶ際に考慮すべきポイントについて詳しく説明します。

　

POINT1. ハンドルの高さ―自分にぴったりの高さを探そう
　ハンドルの高さは、使用者の負担のかからない作業姿勢を維持するためには重要です。肩掛け式草刈機の場合はハンドル高さが調整できるように肩掛けストラップの長さを調整することが大事です。ループハンドルや背負い式草刈機の場合は購入前に草刈機の長さを調べておくことが大事です。適切な高さのハンドルは、背中や腰への負担を軽減し、正しい姿勢を維持するのに役立ちます。

• 理想の高さ: 一般的に、ハンドルは使用者の手首が地面と平行になる高さが理想とされています。

POINT2. グリップの形状―持ちやすさは快適さの決め手
　グリップは、手の形状にフィットし、滑りにくい素材やエルゴノミックなデザインのものがおすすめです。長時間の作業でも手に負担がかからず、スムーズに草刈りを行うことができます。

• 滑りにくい素材: ラバーや樹脂などの素材は、グリップ力を向上させ、手を保護します。
• エルゴノミックデザイン: 手の形状にフィットするデザインは、疲労を軽減し、快適な操作性を実現します。

手にしっくりくるグリップは、まるで草刈機が自分の体の一部になったような感覚を味わえます。

POINT3. 折り畳み可能なハンドル―収納も持ち運びもラクラク
　折り畳み可能なハンドルは、収納や持ち運びに便利です。コンパクトに折りたたむことで、場所を取らずに保管することができます。

• 利便性: 車に積んだり、倉庫にしまったりするのも簡単です。

POINT4. 振動吸収性―手が疲れない快適な操作
　ハンドルに振動吸収素材や構造が組み込まれている場合、長時間の使用でも手の疲労を軽減できます。振動吸収性のあるハンドルは、快適な作業と操作性の向上に貢献します。

• 快適さ: 振動が少ないハンドルなら、長時間の作業でも手が疲れません。

POINT5. バランス―安定した作業で草刈りも楽々
　ハンドルの形状と配置は、草刈機のバランスと操作性に影響します。バランスの取れたハンドルは、安定した作業が可能になり、操作をスムーズにします。

• 操作性: 安定したハンドルなら、草刈機が暴れることなく、思い通りの場所に刈ることができます。

POINT6. 耐久性とメンテナンス―長く使える上質なハンドル
　高品質な素材や頑丈な構造のハンドルは、長期間にわたり高いパフォーマンスを発揮します。また、メンテナンスの手間を最小限に抑えることができます。

• 耐久性: 長く使える上質なハンドルは、まさに草刈機の相棒と言えるでしょう。

　

　草刈機のハンドル選びは、作業の効率や快適性に大きな影響を与えます。高さ、グリップの形状、折り畳み機能、振動吸収性、バランス、耐久性とメンテナンスなど、多くのポイントを考慮して、自分に最適なハンドルを選びましょう。適切なハンドルを選ぶことで、作業が楽になり、効率が上がること間違いなしです。

　

5.刈払い刃の種類と特徴：作業内容に応じた刃の選び方

草刈機で使用する刃の種類

　草刈機には、主に「チップソー」と「ナイロンカッター」の2種類の刃が使用されます。それぞれの特徴と用途についてご紹介します。

チップソー

　チップソーは、回転のこぎりのような刃で、背丈のある太めの草を効率よく刈り取ることができます。一般的に、最も多く使用されているのがこのチップソーです。しかし、使い続けると刃のチップが磨耗して刈れなくなるため、定期的な交換が必要です。

　

ナイロンカッター

　ナイロンカッターは、ひもを取り付けて草刈機の回転力で草を刈るタイプの刃です。効果的に使用するためには、高回転数が必要となるため、排気量26㏄以上の草刈機が推奨されています。最近では、電動式の草刈機にもナイロンカッターが採用されており、背丈が短く細い草に対して有効です。ただし、ひもが回転しているだけなので、石や砂などが飛び散りやすく、使用者側にも飛んでくることがあります。このため、安全対策を十分に行う必要があります。ナイロンカッターも使い続けるとひもが減っていくため、定期的な交換が必要です。

　

　

　チップソーは太めの草を効率よく刈り取ることができ、ナイロンカッターは細かい草に対して有効です。どちらの刃も、使い続けると磨耗して交換が必要となるため、適切にメンテナンスを行いながら使用することが大切です。用途に合わせて適切な刃を選び、安全に草刈りを行いましょう。

　

6.メンテナンスの手順と頻度：長く使うためのケア方法

　草刈機を長く使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。以下は基本的なメンテナンス手順と頻度です。

使用後の清掃

　使用後は、草や土を取り除き、機械全体を清掃します。

エンジンのチェック

　エンジンオイルの交換や燃料の補給を定期的に行います。

刃の研磨

　刃が鈍くなると作業効率が低下するため、定期的に研磨するか交換します。

フィルターの掃除

　エアフィルターや燃料フィルターを清潔に保ち、エンジンの性能を維持します。

　

　これらのメンテナンスを定期的に行うことで、草刈機の寿命を延ばし、常に最高の性能を発揮できるようになります。

　

7.安全な使い方と注意点：事故防止のための基本的なルール

　草刈機を安全に使用するためには、いくつかの基本的なルールを守る必要があります。

保護具の着用

　作業時には、ゴーグルや手袋、長袖の作業服を着用し、安全を確保します。

周囲の確認

　作業前に、周囲に人やペットがいないか確認します。

取扱説明書の確認

　草刈機の使用方法や注意点を事前に把握しておきます。

適切な保管

　使用後は、直射日光を避け、乾燥した場所に保管します。

　

　これらの注意点を守ることで、安全かつ効率的に草刈機を使用することができます。

　

8.おすすめ草刈機ランキング：人気のモデルとその特徴

　市場には多くの草刈機があり、それぞれに特徴があります。ここでは、おすすめの草刈機モデルをランキング形式で紹介します。

1.マキタ DUR368L: バッテリー式草刈機の中でも特に人気のモデル。静音性が高く、家庭での使用に最適。

2.ホンダ UMK425: 背負い式草刈機。高い信頼性と耐久性を誇るモデル。軽量で扱いやすく、家庭用からプロ用まで幅広く対応。

3.ホンダ バリカン UMR435T:肩掛け式。 ガソリン式の高性能モデル。広範囲の作業に適し、使いやすさと安全性も兼ね備えている。

4.KYOCERA（京セラ） 背負式 エンジン刈払機 EKKB-2665L : 26ccエンジン搭載の背負い式草刈機。初心者にも扱いやすく、パワフルで安全性も高い設計です。

各モデルの特徴を理解し、使用目的に応じた最適な草刈機を選びましょう。

　

まとめ

　草刈機は、庭や農地の手入れに欠かせないツールです。適切なモデルを選び、正しい使い方とメンテナンスを行うことで、効率的かつ安全に作業を進めることができます。本記事を参考に、自分に最適な草刈機を見つけてください。長く愛用できる草刈機を手に入れて、美しい庭や畑を保ちましょう。